スーパーの歩留り計算を簡単に説明

複数の歯車
歯車

歩留りとは原料から得られる使える部分の比率です。
例えばスーパーで魚1尾そのまま販売すれば販売者の歩留りは100%です。その魚を消費者が丸ごと食べていただければ完全に魚の歩留りは100%になります。

しかしスーパーでは消費者の歩留りが100%に近づけるように、原料から使えない部分を省き使える部分だけを販売することがあります。

このときに必要になってくるのが正しい原価を知ることです。この正しい原価を知るために歩留り計算を行います。

歩留り計算の仕方

使える部分÷全体×100です。これを「歩留り」もしくは「歩留り率」といいます。

例えば22㎏のマグロが1尾あったとして捌き終わると9㎏になったとします。このときの歩留りは40.9%になります。

計算の仕方は使える部分9㎏÷22㎏×100=40.9です。この計算で何がわかるかというと正しい原価がわかります。

仮にマグロの原価を㎏2000円とします。マグロの重さが22㎏あるので仕入れ値は2000×22で44000円になります。

マグロを1尾すべて販売することができるのなら、㎏2000円で仕入れたマグロにそのまま乗せたい利益率を乗せればいいのですが、実際に販売できるのは全体の40.9%です。

なので㎏2000円で仕入れたマグロの本当のキロあたりの原価を知る必要があります。

計算の仕方は㎏2000÷歩留まり40.9×100です。これでマグロの使える部分の原価は㎏あたり4890円だとわかりました。

また仕入れ金額の44000円を使える部分の9㎏で割ると4889円になり、四捨五入すると答えは同じです。

ちなみに44000円で仕入れたマグロを原価の㎏あたり2000で販売すると、2000円×使える部分9㎏で18000円、原価にもなりません。

歩留り計算はしっかり行いましょう。また、毎回やっているとロスタイムになるので、自分が捌いたときの商品ごとの歩留りを覚えるのもいいでしょう。

歩留まり率を上げる目的

「利は元にあり」という言葉をご存知でしょうか?商売は仕入れが大切だという意味です。確かに安く仕入れて高く売れば利益は大きく、安く仕入れた物を薄い儲けで多く売れば「薄利多売」が成立します。

でもこれは完成された商品で、歩留りとは関係のない商品での話です。

生鮮食品を多く扱うスーパーでは、そのままの状態で仕入れた商品を店内で加工してから店頭に並べることがよくあります。この店内で加工するときに歩留りに差がでます。

例えばA店もB店も㎏あたり1000円でブリを仕入れたとします。A店のブリの歩留りは40%でB店のブリの歩留りは45%だったとします。

捌き終わったあとのブリの原価は、A店が1000÷40×100で㎏あたり2500円です。B店のブリの原価は1000÷45×100で㎏あたり2222円です。

A店とB店ではブリを1㎏販売するごとに利益に278円の差が出ます。このように歩留まり率を上げると原価が下がり利益が上がります。